ステンレス製 鍋の撮影(1)

今日はステンレス製の鍋の撮影の仕方をレクチャーしましょう。
下の鍋です。ピッカピカ!撮影しているiPhoneがバッチリ写っています。

この鍋は宮崎製作所様という新潟県燕市にあるメーカーで日本で製造しています。
光を反射させると少しの歪みでもわかってしまいますが この鍋はいっさいそういう事はありません。
15年間の保証付きで、「良い物を末永くが」 企業ポリシーだそうで昔からの日本のものつくりの原点のような企業です。

さあ撮影しましょう。
最初に紹介する撮影の仕方はわりとどこの撮影会社でもやっている撮影の仕方です。
このやり方でしたら短時間に沢山の撮影が出来ます。
白デコラの上において写り込みをなくすためにアトレー(ディフューザーのことです。)で囲ってしまうやり方です。この鍋でしたら斜め上から撮影すれば側面の反射は下にひいてある白デコラが写るのでそこそこの出来にはなります。

このなかに鍋が入っています。

実際にこのライティングで撮影するとこんな感じ。

いかがでしょうか。この写真だけ見るとフタの持ち手の手前に横に写り込んだラインが入ってはいますが「これでもいいんじゃね」と思うかもしれません。ためしに撮影角度を少し下げてみましょう。

回りが見事に写り込んでしまいました。正面から撮影すると丸い物ですので全体が写ってしまいます。
これだけ写り込む商品は切り抜き前提で撮影しないと難しいですね。
それではABstudioの撮影方法をご紹介いたしましょう。

最初に撮影する商品を載せる台を作らなければなりません。下部が丸くなっているのでその映り込みの処理をしなくてはならないからです。
宙に浮くように鍋を設置してその下にアトレーを回し込みます。

撮影の台は、30年前のジッツオという三脚です。以前フィルムで仕事をしていた時には4×5のカメラを載せて使っていました。その三脚にクランプでハスキーのエレベーターをアームにしてブームにしました。(ちょっと専門的でごめんなさい)
余談ですけどジッツオという三脚のメーカーはフランスの会社で第二次世界大戦のとき機関銃の銃座を作っていました。今ではとってもカメラマンに優しい使いやすい三脚を販売していますが当時私が買った30年前は(この三脚もそうですけど)重いし動きは硬いしとにかく助手泣かせの三脚でした。ただ重くて動きが硬いという事はちょっとやそっとじゃ動かないということで撮影に使うには当時の日本製の三脚に比べ格段に良い製品でした。

背景はアトレーです。アトレーに穴をあけて鍋だけ出るようにします。




鍋だけ出ました。後にたらしたアトレーは鍋のふたに写り込みその表現に使います。
側面の表現は下部が丸くなっているので鍋の下をくぐるよう一枚のアトレーで囲います。

撮影用の三脚の手前にアトレーがきてしまうので上からカメラを出すためにこれももう1台ジッツオのブーム三脚を使います。

それではライトを置いて行きましょう。
まずは鍋の天面蓋の表現です。左斜めからライトをいれてみましょう。

うっかりしていました、ライトを入れたのは良いのですが背景に使ったアトレーに傷やシワがあり写り込んでしまいました。設置した時にはこれくらいは大丈夫かなと思ったのですが鏡面仕上げの鍋のふたには通用しませんでした。背景のアトレーを取り替えましょう。

気をとりなおしてもう一度撮影です。

いかがでしょうか新品にしました。きれいにグラデーションが出ていますね。
少しシャドーがきついかと思われますが他にライトを点けると光が回り明るくなるのでとりあえず次のライトを調整しましょう。

側面です左下からライトを入れましょう。わかりやすくするために上からのライトは消しています。

少し左過ぎたようです。私のイメージではもう少し右に大きめのハイライトを入れて左側面の淵に小さめのハイライトを入れたいと思います。


左側面の真ん中にハイライトをもってきました。次は左側面の淵です。

いかがでしょうか。2灯ライトで構成する事により丸みが表現出来ました。次は右のライトです。
こちらからは大きめのライト1灯で表現しましょう。

横からライトを入れました。真ん中ハイライトの切れ目が縦に入ってしまっています。少しライトを動かしディフューザーをもう一枚いれてグラデーションがつくようにしましょう。

さあそれではライトをすべてつけてみましょう。

おっといけません、良く見たら右側面のアトレーが足りず少し段になってしまっています。(赤矢印の丸部分)丸い物ですので淵は屈折して後方が写り込みます。
ぐるっと下を通しているアトレーを商品にもう少し近づけましょう。

後は全体のメリハリと金属感をだして完成です。

完成しました。いかがでしょうか。最初に撮影した物と比べてみて下さい。圧倒的にカッコいいでしょ。The ステンレスという感じでしょうか。

最後に感じた事です。
撮影している時は良い出来だと思っていましたが。これをHPに載せるために何度も写真を見ながら書いているともう少し側面の金属感は出せなかったかな(少しマットぽくなってしまった)と思いました。
写真もいろいろな表現方法があります。その中で自分が考えるその商品が最高にかっこ良く見える撮影の仕方をしたいと思っています。
まだまだ研究の余地ありです。
ステンレス製 鍋の撮影(2)
ステンレス製 鍋の撮影(3)

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